「歴女」に続き、「古事記ガール」が増殖しています。(※歴女とは歴史好き、歴史通の女性を指す造語)
どんなきっかけでも、何かに興味を持つことはとても素晴らしいことです。
しかし古事記にスポットが当たったことは良い機会かもしれません。日本人なのに日本の神話について知らない人って、意外と多いのではないでしょうか。
古事記ガールとは?
事の発端は2012年、「古事記」が誕生して1300年目ということで様々なイベントが行われたことによります。
古事記ゆかりの地を巡るツアーや、神話にまつわる催しなどに参加する女子が急増しました。それらの女子を「古事記ガール」と呼ぶようになったのです。
古事記が誕生して1300年以上が経過しており、2012年はその節目だったというわけ。
さらに2020年には日本書紀が誕生して1300年目になります。
※古事記は物語調になっているのに比べ、日本書紀はそれぞれの時代で起こった出来事を年代順で記します。
これらのことから、古事記と日本書紀が編纂された奈良県では「記紀・万葉プロジェクト」を立ち上げます。
「記紀・万葉プロジェクト」では、古事記や日本書紀がもっと親しまれるようにさまざまなプロジェクトが計画・実行されています。
参考:なら記紀・万葉
そのため、2020年まで古事記ガールは忙しいでしょうね。もしかしてそのうち、「日本書紀ガール」なんて呼ばれる女子も増えてくるかもしれません^^
「古事記」とは?
古事記とは日本最古の歴史書です。日本の国の成り立ちから神話が記され、登場する神々は神社で祀られています。
おそらく物語の全体像は知らなくても、要所要所で神さまの名前は聞いたことがあるはずです。
しかし学校で習わなかったり難しいイメージがあったりするので、内容を詳しく知っている人は少ないでしょう。
古事記を読むコツ
古事記に出てくる神様の名前はかなり読みにくい印象があります。
一度読んだだけでは覚えられず、口に出したら舌を噛みそうになるでしょう(笑)。この点について、竹田恒泰さんが著書「現代語古事記」で、古事記を楽しむコツについて解説されています。
(竹田恒泰さんは明治天皇の玄孫(やしゃご、孫の孫)であり、法学者や作家業をされている方です。)
- 神様の名前はすぐに忘れること
- 何度も登場する神様は全体の一割未満
- 重要な神様は何度も出てくるので自然と覚える
竹田恒泰さんは古事記があまり読まれない理由として、内容が難しいのではなく、名前がややこしいのだと書かれています。
実際に読んでいると、神様の名前が読みにくくて何度も断念しそうに……。しかし覚えなくてもいいのだ! と言われると、読むのが気楽になりますね。
古事記の動画
だいたいのストーリーが知りたい方に、youtubeで分かりやすい動画がありましたのでご紹介します。
イラストと簡単にまとめられたテキストで、各3分程度が全17話あります。
古事記を読む時間がないという方にはピッタリの動画ですね^^
参考:youtubeチャンネル古事記の物語 (全17話)再生リスト
古事記のストーリー
それではちょっとだけ古事記のストーリーを紹介しておきます。
まず最初に天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)という神がお生まれになり、続いて高御産巣日神(たかみむすひのかみ)と神産巣日神(かみむすひのかみ)が誕生しました。
日本の神さまと言えば天照大神(あまてらすおおみかみ)の印象が強いですけれど、一番初めの神さまは天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)という方です。
それからさらに神々が誕生し、最後に生まれたのが伊邪那岐神(いざなぎのかみ)と伊邪那美神(いざなみのかみ)の二柱です。
※神さまは柱(はしら)と数えます。
この二神が日本の国を作ります。最初は淡路、それから四国、九州、本州と次々に国をお生みになりました。これが「国生み」の物語になります。
これからさらにストーリーは展開していきます。
まとめ
日本人なら日本の神話を知っておくことは、とても有意義なことだと言えるでしょう。
しかしどうして日本神話を学校教育に取り入れないのか不思議ですね。学んでみると、けっこう面白いと思うのですが^^;
奈良県ではさまざまなプロジェクトが進行していますので、古事記ガールを見習って古事記に興味を持ち、日本の神話に親しんでみましょう。
どこかで聞いたことがある神さまと、ご縁を結べるようになるかもしれませんよ。